普段からビールって飲みますか?
暑い日やお風呂上りに飲むと美味しく飲めるため、毎日必ず飲むという方も多いのではないでしょうか。
今回は、ビール好きの方向けにビールに関する基礎知識をお話ししたいと思いますので読んでみて下さい。
目次
ビールの原料とは?
まずは、ビールの原料について詳しくお話しします。
ビールは醸造酒の扱い
ビールは、基本的に麦、ホップ、酵母、水などを主な原料としており、醸造酒とは、穀物や果実などの糖の成分を酵母が食べることでアルコールと炭酸ガスを発生させる事で完成します。
ちなみにビール以外のお酒では、ワインや日本酒も醸造酒です。
麦芽
知っている方も多いかもしれませんが、ビールの原料のメインとなるのが麦芽です。
麦芽とは、麦を発芽させたもので一部の方からは、「モルト」と呼ばれています。
麦が発芽すると、麦に含まれているでん粉を分解するために酵素ができ、酵素ができると麦から出てくる液体を甘くしてくれます。
発芽した麦芽は、放置してしまうと麦芽が成長しようとして、でん粉を糖分に変更して消費しようとしてしまうため、そうならないように麦芽を乾燥させる「焙燥」という作業をします。
この作業をする事で酵素の状態をキープする事ができます。
焙燥の作業をしている時の温度で麦芽の色や成分の状態が変わり、焙燥の作業中の温度が低いと麦芽は淡い色に変化して酵素力が強く、反対に温度が高いと黒色に変わり、酵素力が弱いです。
温度が高い事で、麦芽の風味が香ばしくなり、焦げたような味がします。
ビールの味、香り、泡立ちが麦芽によって変わるため、ビールを作るうえで重要な原料です。
酵母
ビールを製造するにあたって麦芽も大事ですが、酵母も同じくらい大事と言われています。
ビールをしっかりとしたお酒に変化させるには、酵母が必要です。
元々麦芽が持っている糖の成分を酵母が二酸化炭素とアルコールに分けていて、分けている際にビールの香りや味わいが出来上がります。
酵母の種類は、1つだけしかないと思われるかもしれませんが、1000種類以上あります。
以外かもしれませんが、その中でもビールの発酵に向いている酵母は少ししかありません。
ビールに向いている酵母の事を「ビール酵母」と呼んでいます。
ビールの酵母は、「ラガー酵母」と「エール酵母」に分けられています。
ラガー酵母は、すっきりとしたビールを製造するのに適していて、およそ4度から10度の低温の状態で、発酵タンクの下で発酵します。
エール酵母は、香りが良く味わいが深いビールを作るのに適していて、およそ13度から24度の中高温の状態で、発酵タンクの上で発酵します。
主に2種類の酵母についてお話しましたが、その他にも、ドイツで飲まれている白ビールのヴァイツェン酵母などがあります。
最近では、ビール以外にもワインなどに酵母が使われたりします。
ホップ
ビールの香りや苦味がでるのは、ホップが含まれているからです。
ホップとは、松ぼっくりのような形をした植物で、一部の方からは、毬花と呼ばれたりもします。
ホップの中に含まれているルプリンという黄色いつぶつぶがビールの苦味や香りの元となります。
さらにホップには、防腐しないような効果があったり、泡立ちを良くしたりします。
ホップは、基本的にそのまま使われるわけではなく、収穫された後、粉末にしたりそのままの状態のものがビールに使われます。
ホップは空気に触れるとダメージが大きい事から、生で使われたりする事はほとんどなく、加工されて使われる場合が多いです。
ごくまれにほとんどそのままのホップが使われているビールがありますので見つけたら飲んでみると良いかもしれません。
ホップも酵母と同じように100種類以上あるため、ホップを変える事により、様々なビールの味が作れます。
副原料
副原料は、ビールの香りや味に特徴をつけるために入れます。
ビールによって副原料は異なり、フルーツ、チョコレート、ハーブ、スパイスがあります。
副原料を変える事で、様々な味のビールを作る事ができます。
水
ここまでビールの原料に関する話をしてきましたが、ビールのほとんどは水で出来ています。
水はどれも同じと思うかもしれませんが、水のカルシウムやマグネシウムの量によってビールに違いが出てきます。
ミネラルが豊富な水が硬水で、ミネラルが少ない水が軟水です。
硬水で作られたビールは、しっかりと発酵されるため、味わいやビールの色が濃くなると言われています。
ビールの製造方法とは?
ビールは先ほど紹介した原料を入れたら終わりという訳ではなく、様々な工程を経てビールは完成します。
一つ一つ工程を紹介したいと思います。
麦芽粉砕
麦芽に含まれているでん粉をしっかりと分解するためにローラータイプの粉砕機で麦芽を細かく砕きます、
糖化
鍋に仕込み水と先ほど粉砕した麦芽を入れて煮込みます。
50度から70度で煮込むと麦芽に含まれている酵素が活発になるため、麦芽のでん粉が糖の成分とアミノ酸に分かれます。
糖化が終了したら不純物を省いて麦汁を作ります。
完成した麦汁は、とても甘い味がします。
煮沸
先ほどの麦汁にホップを入れて煮沸します。
ホップを加熱すると麦芽に苦味が移りますし、ホップに熱を加えない状態だと麦芽に香りが移ります。
苦味を加えるためのホップと香りを加えるためのホップがあるため、どのタイミングでホップを入れてどのくらいの時間ホップを入れておくのかは、職人の腕の見せ所です。
冷却
煮沸が終了したら、不純物を取り除きつつ冷却器を通過し、発酵に向いている温度まで下げます。
酵母
麦汁に酵母が追加されると発酵がスタートします。
酵母する事で麦汁内の糖の成分を消費した後、炭酸ガスとアルコールが出てきます。
それ以外にも酵母は、麦汁の中にある様々な栄養分を元に香りやうまみ成分を出してくれます。
上面の発酵酵母は、20度前後で活発に活動し、およそ3日から5日間ほど発酵が終わります。
下面の発酵酵母は、10度前後で活動しおよそ7日間から10日間ほど発酵をし続けます。
熟成
発酵が終わったばかりのビールは、味が落ち着いていないため、別のタンクに移した後、熟成させて、味を整えます。
基本的に上面発酵のビールは、1週間から2週間ほど置き、下面発酵のビールは、1ヶ月ほどで置きます。
ろ過と熱処理
熟成を終えた後、酵母の動きを止めるためにろ過したり、熱処理したりします。
ろ過をしないとビールがクリアな色にならないため大切な工程です。
容器詰め
完成したビールを瓶や缶に入れます。
瓶や缶など関係なく品質が落ちを防ぐため酸素が入らないように容器に詰めます。
ビールの種類
ここまでビールの工程をお話ししましたが、ビールを製造する過程で酵母やホップなどの微妙な加減で味や香りがガラリと変わる事が分かっていただけたかと思います。
ビールの種類(ビアスタイル)をいくつか紹介したいと思います。
ちなみにビールの種類は、140種類以上あります。
ピルスナー
多くの国で飲まれているのがピルスナーです。
チェコのピルゼン地区でドイツ人の方が作ったビールです。
日本で作られているビールのほとんどがピルスナー系となります。
何故ピルスナーかというとドイツからビールの造り方を学んだという説があります。
ペールエール
イギリスで作られた上面酵母のビールです。
ホップの苦味や香りがちょうど良いです。
アメリカで飲まれるようになった事がきっかけで人気が上昇しました。
甘みが強く、香りは、紅茶やハーブの香りがします。
セゾン
古くからあるベルギーのビールです。
ベルギーで働いている農家さんが農業の合間に水の代わりに飲まれるビールです。
水の代わりに飲む事からアルコール度数がかなり低めです。
飲みやすい味わいである事から、ベルギーでは人気のあるビールです。
まとめ
今回は、ビールの基礎知識についてお話ししました。
ビールに関して詳しくない方は、参考になる内容が多かったのではないでしょうか。
ビールの基礎知識をしっかりと身につけ、日頃からより良い気分でビールを飲んで楽しみましょう。