統合失調症の話です。第一世代抗精神病薬、第二世代抗精神病薬、陽性症状、陰性症状、ドパミン仮説、グルタミン酸仮説の話です。適切な治療を行ければ必ず、よくなります。
目次
統合失調症は治る?ジプレキサを使った体験談
私が高校の時に発症しました。周りから見られている様な気がしたり、情緒が不安定になりました。
次第に人間関係も薄れていき、大学進学後も周りから見られている、噂されているといった感じがとれませんでした。
授業中も極度に緊張して、授業に集中できずに、試験は落第しました。
次第に学校にも行かなくました。そして自殺を図り、入院。その時は社会不安障害だと診断されて、アナフラニールを処方されました。
抗鬱剤ですので、統合失調症に使われる、抗精神病薬とは違いました。
しかし、抗鬱剤でも飲んでみるとかなり症状が改善されました。
ですが、何かがおかしいといつも思っていました。それから数年経ち、統合失調症と診断されて、ジプレキサを処方されて今に到ります。
統合失調症の原因とは
統合失調症の原因は中脳辺縁系のドーパミン過剰により起こると言うドパミン過剰説が今の主流です。
それならばシナプス間隙の間のドパミン受容体を遮断して、神経間のドパミンを枯渇させれば、統合失調症は治ると思われて、(今でも不明です)セレネースと言う薬が開発されました。
投与してみると確かに統合失調症の症状(陽性症状)は消えた。しかし人間らしさが戻らない。
そこで何か他に原因があるはずだと思われて、研究された結果、セロトニン2A受容体を遮断すると、人間らしさを無くする陰性症状を改善出来ることがわかり、リスパダールが開発されました。これを第二世代抗精神病薬と呼びます。セレネース等は、第一世代抗精神病薬と呼びます。
しかしリスパダールでもうまくいかない人もいるのが事実で現在毎年一つ位新薬が出ています。
統合失調症に効果的なジプレキサとは?
統合失調症の治療薬は長く使っていかないと効果は出ません。私はジプレキサを10年飲んでいます。ジプレキサは抗精神病薬の中で最も優れた治療薬だと私は思っています。
効き方が違います。何故ジプレキサが優れているかと言うと、ドパミン、セロトニン、そしてグルタミン酸の神経系を賦活させるからです。
最近統合失調症にはドパミンでもセロトニンでも無い。グルタミン酸受容体の異常が関わっているのではないかと、言われる様になっています。ですのでジプレキサは統合失調症のあらゆる患者に適応できるはずですが、人によっては酷い悪化をきたすそうです。
しかし、ジプレキサは気持ちを落ち着かせる作用、熟睡できる作用があります。もしかしたら、睡眠の質の改善、不安の改善が統合失調症に治療的に作用しているのかもしれません。詳しく言うとジプレキサは様々な神経に作用します。つまり精神疾患の万能薬と言えます。
しかしこの薬は膵臓に作用して肥満をきたします。中にはこの薬がげんいんで糖尿病になる人もいます。定期的な血液検査が必要となります。それを退ければ、非常に良い薬だと私は思っています。
統合失調症で悩んでいる人
統合失調症の方です。先ずエビリファイから試してみるのが良いかもしれません。しかしエビリファイは高確率で悪化します。成功すれば非常に良い薬です。これが合わなかったらリスパダール、もしくはロナセンを試すと良いかもしれません。統合失調症の不安感、不眠にシャープに効きます。もしそれでも駄目ならば、セロクエルもしくはジプレキサを試すと良いでしょう。
ここまでの過程で、かなりの人が改善して、私の様に社会生活ができる様になります。もし、ジプレキサでも駄目ならば、治療抵抗性の統合失調症であると判断して、入院しましょう。指定された病院ならばクロザピンと言う特効薬を処方できます。
クロザピンは、白血球を減少させる、無顆粒球症を引き起こすリスクが100人に1人います。死亡例もありますので、指定された病院でしか処方できません。しかしクロザピンで良くなる方はたくさんいます。
諦めないで下さい。あなたの病気はしっかり治療すれば必ず良い方向に向かいます。
お互い頑張りましょう。